Good-by Seventeen

どうなってんだよ

記憶のタグ付け

あるバンドがテレビに出ているのを見て、私は中学の同級生を思い出した。どうしてるかな。


私はそのバンドの曲を全く聴いたことがない。ベースボーカルなのもそのテレビを見て初めて知った。

思い出した中学の同級生も全然友達じゃなかった。よく話すグループにたまにいるくらい。グループ内で言葉を交わすことはあったけど、2人で話したりとか、ましてや遊びにいくなんてこともなかった。

その子はそのスーツの4人組バンドが好きで、共通の仲良しの友達は「◯◯は顔ファンだから笑」ってからかってた。
私は「そうか、◯◯は顔ファンなのか」とそのまま飲み込んでそれだけだった。


全然仲良くなかったし、その子に関する情報はその好きなバンドだけ。どこの高校に進んだかも曖昧だし、大学に行ったかどうかすら知らない。

それでもテレビを見て、全然好きじゃないバンドを見かけて、その子を思い出した。


それで、私も好きなものを沢山話しておけば、会えなくなっても私のことをふと思い出してくれたりするんじゃないかって閃いた。
たとえ私のこと全然好きじゃなかったとしても。


夏が来る度に、

マカダミアチョコを買う度に、

エビチリを食べる度に、

書店であの本を見かける度に、

あの曲を耳にする度に、

私のこと思い出してね。